てんかんとは?
てんかんの原因はまだはっきりとわかっていませんが、研究者は以下の要因によって発症すると考えています。:
- 発作
- 出生児における酸素不足
- 頭の外傷
- 低血糖とナトリウム不足
- 脳腫瘍
- 脳の損傷
- 遺伝的要因
CBDが発作を止めるメカニズム
1970年代に、研究者たちはカンナビジオールが抗けいれん作用を持っているという結論を出しました。1 抗けいれん薬(抗てんかん薬)は、てんかんの発作を止めるための薬です。 てんかん患者の約3分の1は、治療抵抗性のてんかんを患っていると言われています。 2013年に「Epilepsy & Behavior」誌に掲載された研究では、治療抵抗性てんかんを持つ子供を対象として、CBD量を増やした医療用大麻が与える影響を調べました。2 19人の被験者の内13人がドラベ症候群、4人がドーゼ症候群、1人がレノックス・ガストー症候群、最後の1人が特発性てんかんを患っていました。
結果として、19人中16人(84%)の発作の頻度が減少し、そのうち2人は完全に発作がなくなりました。 また、気分や睡眠の改善などのポジティヴな副作用も見られました。 特に、ドーゼ症候群においては、CBDが睡眠の質の改善に良好に作用する可能性が示唆されました。 別の研究では、CBDがいびきの治療として有効だとしています。3
Porter, Brenda E., and Catherine Jacobsonによる研究結果
Diagnosis | Age | Duration of CBD intake | CBD (mg/ kg/ day) | THC (mg/ kg/ day) | Attacks before CBD | Attacks while using CBD | Medications discontinued during CBD intake |
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1 | Lennox-Gastaut | 7 ♀ | >1 year | ? | ? | >100 per day | 8-10 per day | Banzel, Onfi |
2 | Dravet | 14 ♀ | >4 months | 14 | 0.5 | 5 per day | 0-1 per day | |
3 | EFMR | 12 ♀ | 2-4 months | 7 | 0.5 | 12 per day | 0-1 per day | |
4 | Dravet | 7 ♂ | >4 months | 8 | 0.25-0.5 | 50 per week | 50 per week | |
5 | Dravet | 6 ♀ | >4 months | 4 | 0.1-0.25 | 200-300 per week | 0-2 per week | Onfi |
6 | Dravet | 16 ♀ | >4 months | 1-2 | 0.02-0.1 | 7 per week | 4 per week | Onfi |
7 | Dravet | 13 ♂ | 3-4 months | 4 | 0.02-0.1 | 40 per week | 30 per week | Phenobarbital, Depakote |
8 | Dravet | >4 months | ? | ? | 3 per week | 1-2 per week | Klonopin | |
9 | Dravet | ♂ | >4 months | 3-4 | 0.04-0.2 | 100-500 per week | 1-2 per week | STP, Topamax, Depakote |
10 | Dravet | >4 months | 4 | 0.2-0.4 | 200-300 per week | 20-50 per week | STP | |
11 | Dravet | 8 ♀ | >1 year | ? | ? | 5-10 per week | 0-3 per week | STP, Onfi, Depakote |
12 | Dravet | 7 ♀ | >4 months | 3-4 | 0.04-0.2 | >20 per week | 0-10 per week | Ongi, Zonegran, Depakote |
13 | Doose | 9 ♀ | >4 months | 10-13 | 0.5 | 60-250 per day | 0 | Lorazepam, Ethosuximide |
14 | Dravet | 2 ♂ | >4 months | 7 | 0.08-0.4 | 2 per week | 0 | |
15 | Doose | 2 weeks | <0.5 | 0.01-0.05 | 1-7 per week | 1-7 per week | ||
16 | Doose | 11 ♂ | 1-2 months | 6 | 0.6-0.8 | 20 per week | 4 per week | |
17 | Doose | 1-2 months | 6 | 0 | 15-20 per day | 0-3 per day | Steroids | |
18 | Idiopathic | ♀ | <1 month | 28 | 0.5-0.7 | 10 per week | 8 per week | Valproic acid |
19 | Dravet | 6 ♀ | >4 months | 1 | 0.06-0.3 | 3 per week | 3 per week |
患者はCBDの服用期間中、ルフィナミド、オンフィ、フェノバルビタール、パルプロ酸ナトリウム、クロナゼパム、スチリペントール、トピラマート、ゾニサミド、ロラゼパム、エトスクシミド、ステロイド、デパコテの服用を中止しました。薬の使用を中止する場合は、必ず医師に相談してください。この研究では、被験者によってはCBD摂取量が非常に高く設定されています。ヘンプペディアでは、子供に向けたCBD摂取を推奨している訳ではありません。
てんかん治療にCBDを使用するメリット
CBDをてんかんの治療に使用することのメリットは数多くあります。 Karler氏、Porte氏r、Devinksky氏、Orrin氏、Cunha氏などによる数多くの研究で、その事が明らかになっています。1245
メリットには以下のようなものがあります。:
天然成分のため大きな副作用が起こらない
Devinsky氏らの2014年の調査では、CBDにはてんかんを和らげる働きがあると報告されています。1500mg/日までの高用量投与では、危険な副作用は見られませんでした。Porter氏, Brenda E.氏, Catherine Jacobson氏らによる研究では、一部の子どもの疲労感が増したという報告がありました。46
CBDの副作用についてのより詳しい情報は、 当サイト内のCBDオイルの副作用ガイドをご覧ください。
脳内の受容体と相互作用する性質
脳内にある受容体は、発作を抑えるのに重要な役割を持っています。 神経障害が起こると、脳は気分、食欲、運動、感情、身体調整、炎症などをコントロールできなくなり、発作が起こります。 Labra氏らは2018年の研究で、カンナビノイドが大きな役割を担っている膜チャネルの開口部を調節する力があると結論づけています。7
安価に手に入る
CBDオイルは、その他のてんかん薬に比べて安価に手に入ります。そのため、てんかんに悩む人にとってより一般的で気軽に購入する事が出来る治療薬と言ってもいいでしょう。しかし、安価であるがゆえに効果を疑う人も多く、結果として考え直してしまうという事もあるでしょう。
エンドカンナビノイド・システムの働きを助ける
エンドカンナビノイド・システムが強固で健康であれば、自己免疫機能が高まります。8 それにより、身体にてんかんを含むあらゆる健康上の疾患や症状と戦う力が備わります。 CBDは、身体が必要としている強力なエンドカンナビノイド・システムを支える役割があります。
CBDをてんかんの治療に使用した場合、どんな副作用がある?
どんな薬にも副作用はあり、CBDもその例外ではありません。9 てんかん治療薬として摂取した場合に起こる副作用は以下の通りです。:
- 眠気
- 低血圧
- ドライマウス
これらの症状は、CBDオイルを初めて摂取した際に起こると言われており、他の病気と関連している場合もあります。病弱な方は、CBDオイルを使用する前に医師に相談する事をお勧めします。
てんかん治療のためのCBD摂取量
摂取量は人によって変わるため、事前に検査を受ける事をお勧めします。また、より適切で正確な摂取量を知りたい場合は、医師に相談するといいでしょう。
レオナルド・ライノフ、ジュリアーナ・バーンバウム『CBD: A Patient’s Guide To Medical Cannabis』に記載されている内容を基に、理想的な摂取量を知るためのステップアップガイドをご紹介いたします。まず、ライノフ氏とバーンバウム氏は、てんかんを患っている場合には低用量の摂取から始めることを推奨しています。10
低用量摂取についての詳細や服用方法については、当サイト内のCBDの服用に関する記事をご覧ください。
免責事項 : ヘンプペディアではCBD製品を子供に使用することを具体的に推奨することは、法律上の理由により行っておりません。
てんかん治療にCBDを使用した成功例
てんかんの治療にCBDを使用して、症状が改善したなどの良い結果が得られたという事例は数多くあります。中には、メディアで大きく報じられたものもありました。実際の事例:
・CBDがてんかんの治療に役立つ理由
CBDは、こちらの動画にあるように、犬などの動物に対しても発作や筋肉のけいれんを和らげる目的で使用し、効果が認められています。
てんかん治療とCBDの歴史に関する研究
これまで、CBDがどのようにてんかん治療に活かす事が出来るかを探るための数多くの研究が行われてきました。これらの研究の成果が実を結び、非常に多くの有益な事実が明らかになりました。その内容は以下の通りです。
・紀元前2,700年に行われた考古学者による発掘調査で、大量のカンナビスが詰められた古い墓が出土しました。カンナビスは保存処理されていたため、てんかんを含む様々な病気の治療薬として使用されていたと考えられています。11
・1843年、高名な医師であるW.B.O’Shaughnessyによって抗けいれん薬の詳細が発表されました。これにより、カンナビスに抗てんかん作用があることが認知されました。12
まとめ
てんかんは、反復性かつ非誘発性の発作を引き起こす疾患です。発作が起こるタイミングを見極める事は困難なため、てんかん患者には常に危険が伴います。しかし、CBDオイルの登場により、このいつ起こるかわからない発作のリスクを著しく減少させる事が出来るようになりました。CBDには抗けいれん作用があり、発作の回数を効果的に減らすことが出来るからです。さらには、てんかんのその他の諸症状を軽減してくれる効果もあります。てんかんに悩んでいる方は、ぜひ一度ためしてみる事をお勧めします。確かな効果を得られる事は間違いありませんが、同時に下調べや検査などを慎重に行うことも忘れないでください。
参考文献
- Karler, Ralph, William Cely, and Stuart A. Turkanis. „The anticonvulsant activity of cannabidiol and cannabinol.“ Life Sciences 13.11 (1973): 1527-1531. [↩] [↩]
- Porter, Brenda E., and Catherine Jacobson. „Report of a parent survey of cannabidiol-enriched cannabis use in pediatric treatment-resistant epilepsy.“ Epilepsy & Behavior 29.3 (2013): 574-577. [↩] [↩]
- Guy, Geoffrey, et al. „Use of cannabidiol in the treatment of nocturnal snoring.“ U.S. Patent Application No. 15/519,244. [↩]
- Devinsky, Orrin, et al. „Cannabidiol: pharmacology and potential therapeutic role in epilepsy and other neuropsychiatric disorders.“ Epilepsia 55.6 (2014): 791-802. [↩] [↩]
- Cunha, Jomar M., et al. „Chronic administration of cannabidiol to healthy volunteers and epileptic patients.“ Pharmacology 21.3 (1980): 175-185 [↩]
- orter, Brenda E., and Catherine Jacobson. „Report of a parent survey of cannabidiol-enriched cannabis use in pediatric treatment-resistant epilepsy.“ Epilepsy & Behavior 29.3 (2013): 574-577. [↩]
- Labra, Valeria C., et al. „The neuroglial dialog between cannabinoids and hemichannels.“ Frontiers in molecular neuroscience 11 (2018): 79. [↩]
- Perucca, Emilio. „Cannabinoids in the treatment of epilepsy: hard evidence at last?.“ Journal of epilepsy research 7.2 (2017): 61. [↩]
- Iffland, K. and Grotenhermen, F. (2017). An Update on Safety and Side Effects of Cannabidiol: A Review of Clinical Data and Relevant Animal Studies. Cannabis and Cannabinoid Research, 2(1), pp.139-154. [↩]
- Leinow,, L. and Birnbaum, J. (2017). CBD: A Patient’s Guide to Medicinal Cannabis. North Atlantic Books. [↩]
- Perucca, Emilio. „Cannabinoids in the treatment of epilepsy: hard evidence at last?.“ Journal of epilepsy research 7.2 (2017): 61. [↩]
- loss, David, and Barbara Vickrey. „Cannabinoids for epilepsy.“ Cochrane database of systematic reviews 3 (2014). [↩]