更年期とは、女性の出産能力がなくなる前後の「人生の転換期」ともいえる期間を指し、12ヶ月以上にわたって月経が起こらない事が特徴です。閉経は、基本的に生理的あるいは生物学的な変化を原因とせず、自然にやってくるものですが、何らかの原因に誘発されることもあります。ほとんどの場合、閉経は40歳から55歳の間に起こりますが、中には例外もあり、早期に閉経が起こった場合、後期閉経と比べて体に及ぼす悪影響が大きいといわれています。また、ホルモンによる避妊法の使用や、不摂生による肥満が後期閉経の原因となることがあります。1
早期閉経の原因は以下の通りです。
- 過度な精神的負担
- 化学療法や放射線療法による放射線障害
- 子宮内膜症治療薬などに含まれるエストロゲンやプロゲステロンなどの産生を阻害する特定の成分
- 長期の闘病
- ターナー症候群などを引き起こす遺伝的素因
- 生活習慣の乱れ、特に喫煙や食生活の乱れ
- 有害な毒素への長期的な暴露
- 妊娠の未経験
更年期障害の兆候と症状
更年期障害の症状は、軽度のものから生活に大きな支障をきたすものまでさまざまで、代表的な症状は以下のとおりです。:
- 疲労感
- 骨粗しょう症
- 膣の乾燥や萎縮による性行時の痛み
- 寝汗
- ほてりや寒気
- 不眠症や不規則な睡眠サイクル
- 髪の乾燥や抜け毛
- 不安、イライラ、気分の落ち込み
- 肌の乾燥、肌荒れ
- 性欲減退
- 新陳代謝の低下、体重増加
- 尿路感染症の発症率の増加
- 失禁
- うつ病
CBDを更年期障害に使用した場合のメリット
CBDは、様々な疾患に対する治療効果の研究が行われており、今後データが集まっていくにつれてより安全で長期的な利用ができる成分として認知されていく事でしょう。特に早発閉経に関しては、包括的な治療法は未だ見つかっておらず、CBDが効果的な治療薬となり得る可能性があると期待されています。CBDが持つ代表的な治療効果は以下の通りですが、これらの他にも数多くの健康上のメリットがあります。
- 快眠
CBDは、睡眠の質と時間に良い影響を与える事が研究で明らかになっています。血圧を安定させたり、筋肉を弛緩させる作用が快眠効果に関係しているといわれています。2
- 骨の成長
いくつかの研究によって、CBDが骨密度の成長を促す事がわかっています。骨粗しょう症は更年期障害の辛い症状の一つですが、CBDの摂取によって骨密度を増加もしくは維持させる事ができます。3
- ホルモン剤としての機能
CBDは、ホルモン系の医薬品の代替となり得るという研究結果があります。従来の処方薬には、多くの甚大な健康被害を及ぼす副作用がありますが、これといった深刻な副作用がないCBDは、より安全でオーガニックな選択肢として医師から勧められる時代がくるかもしれません。4
- 気分を安定させる
イライラしたり落ち込んだりするなどの情緒不安定は、更年期障害の症状として一般的です。CBDが気分安定薬として極めて優秀に働く事は、多くの研究結果が証明しています。5
妊娠に対するエンドカンナビノイドシステムの役割
エンドカンナビノイドシステム(ECS)は、内因性カンナビノイドである逆行性神経伝達物質がカンナビノイド受容体に結合する事で働くシステムの事で、主に内分泌、免疫組織、脳の機能を調節する働きがあります。その他にも、エンドカンナビノイドシステムは痛みや睡眠の管理、健全な骨の成長、気分の安定化など多くの精神的・身体的な調節を行っています。
更年期に入るとこの機構が正常に機能しなくなり、エストロゲンやプロゲステロンといったホルモンのバランスが崩れます。更年期障害のほとんどの症状はこのホルモンバランスの乱れによるものだといわれています。カンナビノイド受容体はCBDに非常によく反応するため、このシステムに大きな影響をもたらします。CBDはエンドカンナビノイドシステムのプロセスに自然に同化し、極めて効果的に機能を増強することができます。
更年期障害の症状改善にCBDを使用する方法
CBDは、症状にあったさまざまな使用方法があります。例えば、肌荒れ改善には、肌に直接塗布することのできるクリームやオイルタイプが最適です。また、睡眠や気分を安定させたい場合は、VAPEリキッドや口から摂取できるエディブル、喫煙によって成分を血流に取り込む方法などが効果的です。CBDオイルは汎用性が高く、好きな食べ物や飲み物に混ぜて摂取する事ができます。その他にも局所的にCBDを噴霧できるスプレータイプや、地域の法律や規制で合法であればCBDの含有量が高いカンナビス自体を医療目的で使用するという方法もあります。この様に、CBDの最適な使用方法やタイプは、求める効果によって大きく異なります。
更年期障害のための最適なCBDの摂取量
CBDの適切な摂取量は、症状の度合いや個人の体質など、その他多くの基準によって変わるため、一人一人が自分に最適な用量を正しく知る必要があります。当サイトでは、CBDの専門家ライノフ氏とバーンバウム氏の著書「CBD:A Patient’s Guide to Medicinal Cannabis」(North Atlantic Books)の中で紹介されている、ステップアップ法式を推奨しています。6
CBDの適切な摂取量については、当サイトのCBD摂取量ガイドをご覧ください。CBD摂取量ガイドをご覧ください。
CBDの更年期障害に対する効果を調べた医学研究
現段階では、更年期障害とCBDに関する臨床試験は行われていませんが、実際にCBDを使用して更年期障害が改善されたという体験談が寄せられています。これらは、臨床試験とは言えませんが、CBDが確かに治療効果をもたらすという学説の信憑性を高めるものです。また、いずれの体験談にも重篤な副作用が現れたという報告はされておらず、治療効果に関しても既存の治療法と比べて極めて有効だったと述べられています。CBDは様々な方法での摂取が可能なため、錠剤の服用や注射よりも気軽で快適に使用する事ができ、体内の毒素を分解する臓器である肝臓や腎臓にも負担が少ない成分です。また、カンナビス本体を使用した時の様な陶酔作用がないため、その他の身体機能に支障をきたす事なく極めて安全に使用する事ができます。
参考文献
- Greendale, Gail A., Nancy P. Lee, and Edga R. Arriola. „The menopause.“ The Lancet 353.9152 (1999): 571-580. [↩]
- Hill, M. and Gorzalka, B. (2009). The Endocannabinoid System and the Treatment of Mood and Anxiety Disorders. CNS & Neurological Disorders – Drug Targets, 8(6), pp.451-458. [↩]
- Kogan, Natalya M., et al. „Cannabidiol, a Major Non‐Psychotropic Cannabis Constituent Enhances Fracture Healing and Stimulates Lysyl Hydroxylase Activity in Osteoblasts.“ Journal of Bone and Mineral Research 30.10 (2015): 1905-1913. [↩]
- Corroon Jr, James M., Laurie K. Mischley, and Michelle Sexton. „Cannabis as a substitute for prescription drugs–a cross-sectional study.“ Journal of pain research 10 (2017): 989 [↩]
- Zanelati, T. V., et al. „Antidepressant‐like effects of cannabidiol in mice: possible involvement of 5‐HT1A receptors.“ British journal of pharmacology 159.1 (2010): 122-128. [↩]
- Leinow,, L. and Birnbaum, J. (2017). CBD: A Patient’s Guide to Medicinal Cannabis. North Atlantic Books. [↩]