クローン病とは?
クローン病は、IBD(炎症性腸疾患)の一種で、消化管全体に炎症が起こり、下痢、激しい腹痛、慢性的な疲労感などの辛い症状を伴う疾患です。また、そうした症状による栄養失調や急激な体重の減少も多くみられます。クローン病によって引き起こされる痛みの種類は様々で、中には耐えがたいものもあるため、場合によっては命に危険が及ぶこともあります。
クローン病は、必ずしも消化管全ての部位に影響を与えるとは限らず、ほとんどの場合は大腸や小腸のみの炎症に止まります。治療法に関しては未だ確立されておらず、医療機関で治療を受ける場合は痛みを和らげるなどの対処が主となります。
CBDがクローン病治療に効果的と言われている理由
CBDは、カンナビスと呼ばれる植物から抽出された天然の化合物で、様々な病気や症状に大きな治療効果をもたらすと言われています。これまでに行われたいくつかの研究によって、CBDが消化管の感染症や病気を改善する事が明らかになりました。
クローン病の治療にCBDが有効な理由としては、この病気が消化管で発生するためだと言われています。あるCBDに関する研究によると、CBDは、主に胃、脳、大腸、小腸などに存在するCB1受容体、12 CB2受容体、セロトニン受容体といった様々な受容体に影響を与える事がわかっており、CBDが体内に入るとこれらの受容体を刺激して、吐き気、胃酸過多、嘔吐などを予防します。
クローン病治療のためのCBD摂取量
CBDの摂取量に関しては、レオナルド・ライノフ氏の著書「CBD – A Patient’s Guide to Cannabis」を参考にすると良いでしょう。3 特に、まだCBDを摂取した事がなく、自分にどの様な効き目をもたらすのかわからない初心者の方にはお勧めです。
自分の症状に合った正しいCBD摂取方法については、CBD摂取に関する記事をご覧ください。
クローン病の治療にCBDを使用するには?
個人的にCBDを治療に使用したい場合は、必ず専門の医療機関に相談してください。CBDに理解のある医師であれば、現在の体調、体質、そして病状などを客観的に考慮した上で、クローン病治療のための最適な摂取方法などのアドバイスをもらえるでしょう。
現在CBDは、オイル、タブレット、ベイプ、エディブルなど、さまざまなタイプで販売されています。中でも、CBDオイルはこの中で最も人気のある製品タイプですが、長く使っていくことを考えれば、自分が一番使いやすいと感じるタイプのCBD製品を購入するのがいいのかもしれません。
クローン病に対するCBDの治療効果を調べた研究
非営利団体The Crohn’s and Colitis Foundation of Americaによって行われたカンナビノイドとクローン病に関する研究では、カンナビノイドはクローン病の治療に非常に有効である事が実証されました。4 そして、その治療効果は、従来のクローン病による炎症やその他の症状に対する治療と比べても同等かそれ以上であると結論づけています。
クローン病には、根本的な治療法がないといわれてきました。しかし、CBDはこの病気の症状を極めて効果的に改善するという事が明らかになりました。しかもその効果は、これまで長く使われてきた処方薬を上回り、副作用に関しても従来の医薬品とは比べ物にならないほど軽度なものであるため、CBDがクローン病治療薬として処方される日が来るのも、そう遠い日ではないかもしれません。
参考文献
- Esposito, G., Filippis, D., Cirillo, C., Iuvone, T., Capoccia, E., Scuderi, C., Steardo, A., Cuomo, R. and Steardo, L. (2012). Cannabidiol in Inflammatory Bowel Diseases: A Brief Overview. Phytotherapy Research, 27(5), pp.633-636. [↩]
- Hornby, P. and Prouty, S. (2004). Involvement of cannabinoid receptors in gut motility and visceral perception. British Journal of Pharmacology, 141(8), pp.1335-1345. [↩]
- Leinow,, L. and Birnbaum, J. (2017). CBD: A Patient’s Guide to Medicinal Cannabis. North Atlantic Books. [↩]
- Kunos, G. and Pacher, P. (2004). Cannabinoids cool the intestine. Nature Medicine, 10(7), pp.678-679. [↩]