CBDディスティレートとは、CBD含有濃度が高いヘンプエキスのことです。
近年では、特定の効果を得るために、植物の単一分子を濃縮した製品が消費者の間で注目を集めています。
中には、好みの効果を持った成分を自宅で抽出する人もいるほどです
一方で、CBDブランドの多くはCBDディスティレート、アイソレート、フルスペクトラム、ブロードスペクトラムなど、さまざまな種類のカンナビス由来のエキス販売しています。
ヘンプ由来の製品に使われる用語はこのように複雑で多様なため、その長所と短所を理解せずに摂取してしまう人も少なくありません。
本稿では、そういった危険を避けてもらうために、CBDディスティレートに関するありとあらゆる疑問を解決するためのヒントをご紹介していますここで紹介している内容以外に解決しない疑問がありましたら、是非下のコメント欄にお寄せください。
カンナビス、カンナビノイド、テルペン – 基礎知識のおさらい
カンナビスと呼ばれる植物は、他に類を見ないほどの多様性を持ち、遺伝子構成も多種多様である事が知られています。カンナビスは、数百種類のカンナビノイドと、テルペノイドやフラボノイドなどの非カンナビノイド系の分子を二次的に産生しています。
これらのフィトケミカル(植物由来の生理活性成分)はすべて、互いに複雑に作用し合い、様々な治療効果をもたらします。
現在、このような精神活性化合物やテルペンを含む単一の分子を、最先端の抽出技術によって抑制、増強、分離し、その特徴的な特性を活かす試みが盛んに行われています。
こうした技術によって抽出されるCBDディスティレートは、非精神活性化合物であるCBDが多く含まれています。
ここでは、CBDディスティレートについて最もよく聞かれる質問にお答えしていきます。1.1.1.
1. What is a distillate?
If that sounds too technical, let us consider a simple example to help us readily understand.
We use distilled water for various purposes because it is free from impurities, ions, heavy metals, salt, etc. Industries including automobiles, cosmetics, laboratories, beverages prefer to use distilled water for their various manufacturing processes.
2.ディスティレーション(蒸留)とは?
2005年に行われた研究では、ディスティレーションは化学分析において、母体となる物質から特定の化合物を分離し、純度の指標を構成するために広く使用されている技術のことだと定義されています。製造業界では、化学物質や様々な製品を個々の沸点や気化率に基づいて精製するための方法としてディスティレーションが活用されています。1
3.CBDディスティレートとは?
CBDディスティレートは、カンナビジオール(CBD)を精製した粘度の高い液体で、テルペンや不純物、その他のカンナビノイドが分離除去されているため、匂いや味、風味がほとんどありません。
CBDをカンナビスから抽出するには、抽出、冬期処理、溶媒回収、脱炭酸、蒸留、分離の6つのステップを踏みます。
この中の蒸留と分離は、目的の化合物(この場合はCBD)を最も純粋な形で精製するための最後のプロセスです。
冒頭でも説明しましたが、カンナビスには数百種類のカンナビノイド、テルペン、フラボノイドが含まれています。そして当然のことですが、天然の植物であるカンナビスには有益な化合物以外にも、消費に適さない特定の化学物質や毒素が含まれています。
1993年に行われた研究では、以下のように述べられています。2
「如何なる植物も、棘、茎針、刺毛、毒素、忌避物質など、物理的および化学的な防御機能を備えており、こうした機能によって、草食動物や昆虫などの天敵から身を守っているのである(筆者翻訳)。」
つまり、望まない効果を持つ成分や有害なその他の揮発性物質からCBDを分離することによって、極めて純度の高い治療効果を持ったCBD製品が作られるというわけです。
4. How is CBD distillate made?
Since there are different types of equipment (small to big), depending on the scale of production, the design of the distillation equipment might vary.
Subsequently, the impurities get filtered out separately. The refined CBD gets heated at a low temperature in the distillation apparatus.
The heat converts the oil extract (CBD) into vapor and collects it in the condenser vessel. The vaporized CBD is re-condensed back into liquid form to obtain CBD distillate.
5. What is the consistency of CBD distillate? How does it look?
6. What is the technology used in extracting distillates?
However, short path distillation is the most widely used technology in CBD distillation. Here the product gets heated under a vacuum.
The superiority of this technology over the other methods is that the vaporized cannabinoids travel only a short distance between the evaporation vessel and the condenser. As CBD could get degraded when exposed to high temperatures, its traveling time within the apparatus is shortened.
7.CBDディスティレートにはどんな種類がある?
CBDディスティレートには、大きく分けてフルスペクトラムとブロードスペクトラムの2種類があります。
フルスペクトラムCBDディスティレート:フルスペクトラムCBDディスティレートは、カンナビスの成分がそのまま抽出されているため、アントラージュ効果が期待できます。フルスペクトラムには、THC(法律で定められている量)を含む、カンナビスが持つすべてのカンナビノイドが含まれており、中にはテルペン類も含まれている商品もあります。
ブロードスペクトラムCBDディスティレート:フルスペクトラムとブロードスペクトラムの唯一の違いは、THCの含有量です。ブロードスペクトラムからはTHCが完全に除去されていますが、CBC、CBN、テルペンなどの他のカンナビノイドは含まれています。
ここからさらにすべてのカンナビノイドと二次代謝物が取り除かれると、CBDは結晶化プロセスによって小さな結晶分子に変換され、純度99%のカンナビジオールの最も純粋な形態であるCBDアイソレートが完成します。
8.CBDディスティレートの使用方法は?
CBDディスティレートは、蒸留プロセスによって香りを持つ化合物(テルペンとフラボノイド)が取り除かれた抽出液なので、香り、味、風味を感じません。そのため、CBDディスティレートは以下のような様々な方法で利用されています。
- ティンクチャーとして経口摂取する
- VAPE(吸入摂取)
- ダビング(喫煙)
- 食べ物や飲み物に加える
- エディブルを作る
- カプセルの製造
- サプリメント
9. Can I take CBD distillate sublingually?
However, they can be brought back to consumable form by placing them in a hot water bath for a few minutes.
Also, some brands add chemical agents to prevent the product from crystallizing.
10. Does CBD distillate cause a high?
However, type of strain, quality of product, quantity, drug interactions, route of administration are the other factors to be considered.
11. What is the difference between full-spectrum CBD oil and CBD distillate?
Therefore, the objective of reserving the entourage effects in both the end products (CBD oil and CBD distillate) is the same. The differences occur in the potency of cannabinoids and the final consistency of the product.
CBD distillates contain high amounts of concentrated CBD (80-90%), and the consistency of the product is much thicker than oils.
Distillation is one of the main post-extraction processes to remove volatile substances and impurities from the extract to obtain CBD oil. Further, CBD oil contains carrier oils such as hemp oil, MCT oil, propylene glycol, or vegetable glycerine. CBD distillates do not contain carrier oils.
As a result, its bioavailability could be comparatively low but often improved by adding a fatty substance.
12. アイソレートとディスティレートは何が違う?
アイソレートとは、THCやCBDなどのカンナビノイドの純度が99.9%の抽出液の事を言います。
アイソレートは、蒸留からさらにもう一段階の抽出プロセスを経て作られます。蒸留された製品からその他のカンナビノイドを全て分離除去した後、結晶化プロセスによってCBDが純粋な結晶に変化し、白い結晶性の粉末になります。この粉末に色、味、香りはありません。
一方で、ディスティレートを精製するプロセスでは、約80%の純度を持った分子が精製されます。そのため、この抽出液には他のカンナビノイドが微量に含まれています。THCに関しては、米国では1%以下、EUでは0.3%、英国では0.2%といった様に、法的に合法とされる含有量が定められていますが、CBDディスティレートに含まれている可能性があるTHCの含有量はこうした基準を超えない様に調整されています。とは言っても、ある閾値を下回ると、製品中のTHCは追跡できなくなるため、微量な場合は含有量の特定が困難とされています。
13. CBDディスティレートにフレーバーを加える方法は?
ショートパス蒸留技術のもう一つの大きな利点は、カンナビノイド、テルペン、不純物が別々にろ過されることです。これにより、蒸留されたCBDに香り付けの意味でテルペンを再度加えることも可能です。
また、レモン、ミント、チョコレートなど、さまざまなフレーバーのCBDディスティレートを販売しているメーカーも少なくありません。
香りがなくて物足りないと感じた場合は、CBDディスティレートにお好みのフレーバーを加えることもできます。
- ディスティレートを低温加熱でオイル状に戻す(室温では結晶化しているため)。
- バイオアベイラビリティを高めるために、ココナッツオイルのような脂肪分を混ぜる。
- お好みのエッセンシャルオイルやフレーバーを加えてよく混ぜて完成
14.カンナビスコンセントレート(濃縮物)とCBDディスティレートの違い
カンナビスコンセントレート(濃縮物)は、精神活性作用のあるTHCと呼ばれる化合物を多く含むカンナビス品種を原料としています。
形態には、クランブル、バダー、シャター、クリスタリン、ドライシフ、ロジン、バブルハッシュなどのさまざまな種類があり、それぞれ異なる組成と効力を持っています。
コンセントレートを使用することのメリットとリスクについての研究は、現時点では限られています。
その中でも、2017年に行われた研究は興味深いものでした。この研究では、ほとんどのコンセントレートが天然のカンナビスの花や芽に比べて高濃度のカンナビノイドを有していると結論づけられました。3
コンセントレートは、植物全体からカンナビノイドを抽出して、元の花穂よりもはるかに高い濃度に濃縮する工程を経て作られます。そのため、THCコンセントレートは原料である花穂の4倍以上の効力を持つと言われています。
一方で、CBDディスティレートは高濃度のCBDを含むカンナビスの抽出液です。
15. CBDディスティレートやアイソレートに関する研究結果
何百ものカンナビノイド、テルペン、フラボノイド、その他多くの化合物を生成する様に設計されているこの植物から単一の分子のみを分離して使用する事の意味は、一体なんなのでしょうか?
2020年に行われた研究では、水蒸気蒸留で生成された単一の成分には、有意な量のフィトカンナビノイドが含まれていないことが指摘されていますまた、この研究の予備観察によると、カンナビスの抗菌・抗バイオフィルム活性は、主にミルセン、ピネン、カリオフィレンなどのテルペン類に由来するもので、CBDの濃度が高かった事とは無関係だと結論づけています。4
2011年の研究では、カンナビスのテルペノイドであるリモネン、ミルセン、リナロール、ネロリドール、β-カリオフィレン、カリオフィレンオキシド、フィトールの治療特性が調査されました。5
この研究からは、以下の様な重要な点が明らかになりました。
- テルペンは香りの成分ですが、植物性カンナビノイドと前駆体を共有しているため、独特な治療効果を持っている。また、カンナビス由来の抽出物が持つ付随的な効果も持っている。
- カンナビノイド以外の植物成分は、THCの陶酔作用を抑える効果を持つため、総合的にカンナビスの治療指数は高い。
- 植物は、そこから分離された成分単体よりも優れた薬である。
- カンナビス抽出液は、単離されたTHCよりも2倍から4倍の効力を示した。
- カンナビスのもたらすアントラージュ効果は、薬理学上大きな価値があるとして期待を向けられている。
また、アリゾナ州立大学が行った最新の研究では、574人を対象に、カンナビスそのものとカンナビスコンセントレートの効果を比較した調査が行われました。その結果、コンセントレートは二日酔い、パラノイア、記憶障害などの好ましくない副作用をもたらす事がわかり、その理由から78%の被験者がカンナビスそのものを使用する事を選ぶと答えました。
16. Can distillates be made only with CBD?
The most striking advantage of the process of distillation is that it provides the convenience to isolate every single molecule of choice.
We can argue that this is especially possible with cannabis plants because it is as malleable as gold.
Therefore it is possible to distill any cannabinoid present in the marijuana or hemp plant including, CBD, THC, CBG, CBC, CBN, THCV, CBDA, and so on, into a concentrated or isolated form.
17. How to store CBD distillate?
(a) Store them at room temperature.
(b) Since CBD distillates solidify at room temperature, it is easy to heat the bottle by placing it in hot water to melt the contents before consumption.
(c) While heating the CBD distillate, make sure not to overheat or expose the product to direct fire. It could degrade the quality of CBD.
(d) In rare cases, if you find any CBD distillate products in plastic containers, consider them as fake, sub-standard, or unsafe for consumption.
(e) Store them safely, away from children and pets.
18. CBDディスティレートの効果とは?
実は、CBDディスティレートを摂取する事による健康上のメリットを証明する科学的証拠はあまり多くありません。この独特なプロセスで作られるCBD製品を使用することで、どんな治療効果、もしくは健康増進効果を得られるのか気になっている人は少なくないでしょう。
CBDに鎮痛作用、制吐作用、抗けいれん作用、抗精神病作用があることは多くの研究で既に明らかになっていますが、カンナビノイドの中でも強力な単一の分子を摂取した場合にもたらされる効果については、まだわかっていない事が多いのです。
現在わかっているCBDディスティレートの基本的な健康上のメリットは以下の通りです。
- 何をどれだけ摂取したかを正確に記録することができる。
- ブロードスペクトラムCBDディスティレートかアイソレートといった製品は、カンナビノイドの含有量が異なるフルスペクトラム製品の使用が心配な人にとっての選択肢になり得る。
- 様々な用途に応用できるという点で汎用性が高い。
19. Can I give CBD distillate to my dog?
However, making sure that the products are free from THC, harmful flavors, or additives is of utmost importance.
Although there is a limited number of studies to prove the efficacy of CBD in dogs for treating specific conditions, its safety profile is so far good. On the other hand, THC could have adverse effects on healthy dogs.
Moreover, cannabinoids are more concentrated and potent in distillates. It is best to consult your veterinarian before administering any cannabis-based product to your pets.
20. CBDコンセントレート(濃縮物)を使用することのリスク
CBD市場は、アメリカ食品医薬品局(FDA)による規制を受けていませんが、現在、 FDAはいくつかの主要な懸念事項の解決に向けて取り組み始めています。その内容は以下の通りです。
- CBDの鎮静効果
- 長期間の使用
- 経皮的浸透
- CBDの摂取経路の違いによる結果
- 身体がCBDをどのように吸収し、代謝するか
- 安全性プロファイル
- ペットへの安全性、など
- フルスペクトラムとブロードスペクトラムはどのように抽出され加工されるのか
- CBDアイソレート製品と比較した場合の成分の違い
この様に、摂取量や頻度に関する基本的なガイドラインがないため、CBDディスティレートの摂取によるリスクやメリットを完全に理解する事は、現時点では不可能です。
しかし、ユーザーはこうした知見とは関係なく、オンラインや小売店でCBD製品を購入する際には、偽造品や誤解を招くラベル、低品質の製品をつかまされないために常に慎重になる必要があります。
参考文献
- J.D. Green, DISTILLATION, Editor(s): Paul Worsfold, Alan Townshend, Colin Poole, Encyclopedia of Analytical Science (Second Edition), Elsevier,2005, Pages 281-285, ISBN 9780123693976,https://doi.org/10.1016/B0-12-369397-7/00107-2. [↩]
- J.B. Harborne, 3 –Plant Toxins and Their Effects on Animals, Editor(s): J.B. Harborne, Introduction to Ecological Biochemistry (Fourth Edition), Academic Press,1993, Pages 71-103, ISBN 9780080918587, https://doi.org/10.1016/B978-0-08-091858-7.50007-3. [↩]
- Cinnamon Bidwell L, YorkWilliams SL, Mueller RL, Bryan AD, Hutchison KE. Exploring cannabis concentrates on the legal market: User profiles, product strength, and health-related outcomes. Addict Behav Rep. 2018;8:102-106. Published 2018 Aug 17. doi:10.1016/j.abrep.2018.08.004 [↩]
- Baswan SM, Klosner AE, Glynn K, et al. Therapeutic Potential of Cannabidiol (CBD) for Skin Health and Disorders. Clin Cosmet Investig Dermatol. 2020;13:927-942. Published 2020 Dec 8. doi:10.2147/CCID.S286411 [↩]
- Russo EB. Taming THC: potential cannabis synergy and phytocannabinoid-terpenoid entourage effects. Br J Pharmacol. 2011;163(7):1344-1364. doi:10.1111/j.1476-5381.2011.01238.x [↩]